岩手で起きたＡＫＢ４８の握手会での殺人未遂事件が、ＡＫＢの運営側とプロデュースする秋元康が行ってきた”ＡＫＢ商法”への批判に発展しそうな気配を見せています。
生贄にされる『会いにいけるアイドル』ＡＫＢ４８
多くの若い女の子が夢見る”アイドル”のハードルを下げ、多くの庶民的なアイドルを輩出してきたＡＫＢ４８とその他のグループ。
特にＡＫＢ４８の人気は『握手会』がもたらし、それは現在も維持されてきました。しかし、25日の事件によって不完全だった安全性ばかりか、アイドルたちも常に危険に晒されていることが明白となりました。
また、メンバーたちの中では以前から握手会の現状に辟易とし、「握手会はやりたくないイベント」となっていたようです。
「卑猥な発言をして嫌がるメンバーの表情を見て喜んだり、転んだふりをして胸を触るなどセクハラがあったり、ひどいのになると手に精液をつけて握手する者もいた。また、テレビのバラエティ番組やTwitterなどでの発言に意に沿わないものがあったと怒鳴ったり、過剰な思い入れを持つファンもいて、正直メンバーの間で握手会は“やりたくないイベント”となってしまっています」
まさに不特定多数を相手にすることの弊害ですね。彼女たちは絶えず笑顔で接しているようですが、心の中は複雑な心境だったのでしょう。
それにしても精○って・・・汗。こんなことがあるから、ボディチェックや手荷物検査はなくても、『手のひら検査』だけはあったのでしょうね。本当にけしからん輩がいるものです。
「AKBグループの場合、ルックスや歌、ダンス、トークなどアイドルに必要なレベルは、ピンで活動できているほかのアイドルに比べて劣るところも多い。それをカバーしているのが“AKB商法”と呼ばれるビジネスモデルなので、今回の事件はその弱点を突かれたもの」
イベントに参加する握手券は通常、CDを購入すると封入されている特典のひとつとなっており、同じCDを大量に買わせることで音楽チャートのランキングを上位に上げてきた。また“会いに行けるアイドル”という売りが、CDを大量買いする熱狂的なファンを生み出している。
「もし握手会をやらなくなったら、CDセールスとファン熱を同時に失うことになる」
”悪質”とまで断言されることもある『ＡＫＢ商法』は、もはや音楽ビジネスというよりも、商品におまけが付いてきて、それを目当てに”大人買い”するというファンの心理につけ込んだビジネスとも言われています。その商品がたまたまＣＤだったと言うだけの話ですね。
もちろん歌や音楽には訴求力があるので、ブランド化するにはもってこいのコンテンツではありますが、傍から見ていると、肥大化しすぎてその重力に耐えられなくなってきているようにも見えます。
個人などで大量に購入されたＣＤはそのほとんどが捨てられ、また、多額に資金を必要とするため昨今ではＣＤ購入を発端とした犯罪も横行しています。さらに、貢いだ金額も多額になることから、”押しメン”への過剰な入れ込みや過度な感情移入を起こし、コアなファンとのトラブルも増えているようです。
もう一つ、ＡＫＢというジャンルが音楽業界を歪ませていると言う事実です。まず、大量買いが支えているため、音楽チャートがめちゃくちゃです。これは、音楽業界が真剣に取り組まないと、取り返しのつかない事態になると思われます。（もう遅いかも・・・）
そこで、ミュージシャンのスガシカオが、自身のツイッターで興味深い発言をしていますので、紹介します。
スガシカオが「DLだと制作費全部赤字。CD買ってほしい」と嘆き節？
「DLでももちろん嬉しいのですが、ぶっちゃけDLだとほとんど利益がないんだ。おれらみたいにスタジオで徹底的に音楽を追い込むタイプは、制作費が全部赤字になっちゃう。CD買ってもらうと、かなり制作費が補えるので、次の作品が作れるメドが立つんだよね。CD売れない音楽業界の負の連鎖だ」
ここではＤＬかどうかということは置いといて笑、ＣＤセールスというのがとにかくアーティストを支える”収益源”になっていることがわかりますよね。
とすれば、ＡＫＢはここ数年は（購入者数は別にして）ＣＤ売上トップを走っているわけで、その収益も莫大なものでしょう。そしてそれを支えているのが件の『やりたくない握手会』という悪循環なんですよね。
ＡＫＢメンバーの収入は知りませんが、一部のメンバーを除いては一般のＯＬ並かそれ以下でしょう。一方で、一説ではプロデューサーの秋元康は年収が50億円とも言われています・・・驚。
発案者だから仕方のない話かもしれないですけど、なんだかな～って思っちゃいます笑。
AKBグループの生命線となる商法を続けるため、関係者からは「透明プラスチック板の仕切りを作って小さな穴を開け、ファンに手だけ差し入れてもらうという安全策もある」という話も出ているようだが、いずれにせよ握手会などイベント自体に見直しがありそうだ。
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